
社会人に必要な5つの柱⁉~ポジティブ心理学における幸福や健康な生き方~
新年度が始まり1か月が経ちましたが、皆さん心の体調はいかがでしょうか。
ゴールデンウィークが終わった頃から、なんとなく気分が落ち込んだり、やる気が出なくなったり。
5月は新しい環境に身を置いたばかりの4月に頑張りすぎた反動が出やすい時期とも言われています。気候も変わりやすいですし、なんだか心の体調も優れないと感じることもあるかもしれません。
今回は、ポジティブ心理学における働く上でのポイントとなる考え方についてご紹介します。
ポジティブな心理学とは?
従来、ポジティブ心理学というと”人間のネガティブな側面を含んでいる”と考えられてきていました。しかし近年は、”人間のポジティブな側面に着目するように”と考えられています。 ポジティブ心理学の目標は、人間は「生きるだけではなく成長したい」存在であり、(省略)「強みを作り上げる」ことを目指すとあります(ジョエル・レビー訳山本富夫2020)。このように、生きていく中で困難にあっても「何とかしよう!」という希望を持って行動し、成長していくことが大切なってきます。
よくポジティブシンキングと間違われますが、ポジティブシンキングは、ポジティブなことだけを考え、独自の経験や自分なりの判断がベースになります。ポジティブ心理学は「幸福」や「心身ともに健康な生き方」を手に入れるために、心理学に何ができるのかを科学的に研究する学問であり、統計データをもとに多くの人に効果があると実証されています。
社会人におけるポジティブ心理学
社会人になると学生の頃と比べ、業務内容や人間関係において困難に立ち向かわなければならない場面に遭遇することが増えてくるでしょう。
例えば、2年目で大きなプロジェクトのリーダーを任されたとします。悲観傾向が高いほど、早めに着手する計画を立案するのですが、実際にはその計画通りには実行できず、結果的に課題の着手に関する先延ばしが生じると考えられます(増田2010)。悲観傾向が高いほど早めに課題に取り組もうと行動するのですが、課題の難易度と自分の実力が合っていないと感じてしまうことで取り組みにくくなってしまう傾向があります。その結果、本来持っている実力が出し切れないということに陥ってしまうのです。
ポジティブ心理学の”5つの柱”にあてはめます
「ポジティブ感情」…愛、喜び、笑い、感謝といった肯定的な感情
→プロジェクトと言うのは周りのサポートがあってこそ実行できるもの。取り組む中で周りの人へ感謝の気持ちや感情を共有する。
「没頭や没入」…何かに没頭できたり、夢中になれる何かを見つけ、それ自体を楽しめるようになることで、仕事の効率や生産性、パフォーマンスが高まるといった考え方
→自分がこれまで続けてきたことや楽しかったことなどを振り返る。仕事の第一印象だけでなく内容を細かく見ると、その経験と似た自身が夢中になれるものが見つかる。
「豊かな人間関係」…能動的、かつ建設的に人と話すこと、そして他者と自分を比べず、「人に貢献することで、自分も幸せになる」
→仕事を一人で抱え込むよりもストレッサーとなるものを共有することで孤独感や孤立感が軽減され、心の充実感が得られるでしょう。
「人生の意味や意義」…人生で何が大切か、何が重要か、そして優先することは何かを知り、その活動を増やしていくことで、幸せで健全な状態が向上するという考え方
→「これがしたい」「出来るようになりたい」といった自身の中にある軸を仕事にあてはめる。
「達成・完遂・マスター」…何かを成し遂げた、完了した、マスターした、という何かを達成することで、人生が満たされていく。
→人間には自分の能力を最大限に発揮し、自己成長を求める欲求があり、まずは「早く起きる」といった身近に出来る目標から積み重ねる。
まとめ
ポジティブ心理学は、人が成長する力を科学的に研究し、幸福や健康な生き方を追求します。悲観的な考えに陥りがちな社会人にとって、「ポジティブ感情」「没頭」「豊かな人間関係」「人生の意味」「達成」の5つの柱を意識することで、困難を乗り越え、本来の力を発揮し、充実した社会人生活を送るヒントになります。
<参考文献>ジョエル・レビー 川口潤=監訳 山本富夫=訳(2020)1日でわかる心理学 株式会社ニュートンプレス p.160
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