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産業保健師による健康コラム⑤☆「マイクロスリープ」と隠れた睡眠の課題

「一瞬、意識が飛んだ」「気づいたら、うとうとしていた」――そんな経験、ありませんか?
それは、もしかするとマイクロスリープかもしれません。
その「うっかり」は危険なサインであり、一瞬の油断が命取りになることもあります。

マイクロスリープとは

マイクロスリープとは、本人が気づかないうちに数秒間眠ってしまう「瞬間的な睡眠」のことです。目を開けているつもりでも、脳はすでに睡眠状態に入っています。このわずかな時間で、私たちの集中力や判断力は急激に低下します。
仕事中に重要な入力ミスをしてしまったり、会議中に話を聞き逃してしまったりといったレベルで済めばまだしも、これが運転中に起こると、重大な交通事故に直結する非常に危険な現象です。一瞬の気の緩み、あるいは「うっかり」では片付けられない、命に関わる危険性を秘めています。

マイクロスリープを引き起こす主な要因

マイクロスリープの最大の原因は、単純な睡眠不足です。現代社会では仕事や生活習慣から十分な睡眠時間を確保するのが難しい方も多いでしょう。睡眠時間が不足すると、脳は活動中に休息を求めて、この「瞬間的な仮眠」を取ろうとします。
しかし、注意が必要なのは、「十分な睡眠時間をとっているはずなのに、日中に強い眠気がある」場合です。
このケースでは、睡眠の「量」ではなく「質」に深刻な課題が隠れている可能性があります。ベッドに入って目をつぶっていても、体が必要とする「深い休息」が得られていない状態です。そして、その代表的な課題の一つとして挙げられるのが、「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」です。

眠りの質を妨げる「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」

眠りの質を妨げる「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」とは
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、眠っている間に何度も呼吸が止まったり、浅くなったりを繰り返す状態です。
呼吸が止まると、体は酸素不足に陥ります。すると脳は生命維持のために、呼吸を再開させようと「覚醒」の指令を出します。この覚醒は自分では気づかない程度のものであっても、一晩に何十回、何百回と繰り返されることで、深い眠り(徐波睡眠やレム睡眠)が大きく妨げられてしまうのです。
その結果、体は一晩中、酸欠状態と覚醒を繰り返すことになり、十分に休めていない状態が続きます。これが、日中の強い眠気や倦怠感、集中力の低下といった形で現れ、さらには前述のマイクロスリープを誘発する主な課題となるのです。

なぜ、睡眠時無呼吸症候群に注意が必要なの?
この状態が危険なのは、単に眠いだけでは済まないからです。
日中の事故リスクの増大: 昼間の強い眠気、特に運転中や集中力を要する作業中のマイクロスリープは、重大なミスや事故に直結します。

生活習慣との関連: 睡眠中に常に体が酸欠とストレスにさらされるため、高血圧、糖尿病、心臓の課題など、他のさまざまな健康課題を引き起こしたり、悪化させたりする要因となることが指摘されています。
社会的な影響: 集中力の低下は、仕事の生産性の低下や人間関係にも影響を及ぼし、生活全体の質(QOL)を大きく損ないます。

推定500万人もの方がこの課題を抱えていると言われており、これは決して珍しいものではありません。特に、男性だけでなく、閉経後の女性にも多く見られる状態です。
あなたの眠りの質をチェックしてみましょう
もし、以下のような自覚症状がある方は、あなたの眠りの質に課題が潜んでいるサインかもしれません。

「しっかり寝ているはずなのに、昼間も眠い」「会議中や運転中についウトウトしてしまう」
「夜中に何度も目が覚める」「熟睡感がない」
「集中力が続かない」「記憶力が低下した気がする」
「大きないびきをかく、または家族にいびきや呼吸の停止を指摘された」
「起床時に頭痛がする」
これらの症状は、マイクロスリープの危険性を高める睡眠時無呼吸症候群(SAS)など、眠りに関する課題の初期サインである可能性があります。

解決への第一歩:簡易検査のすすめ

「もしかしたら」と思ったら、一度睡眠時無呼吸症候群の簡易検査を検討してみることを強くおすすめします。

自己診断と専門家のサポート
自己診断チェックリストもありますが、正確な状態を把握するには、専門の医療機関での検査が不可欠です。
簡易検査は、ご自宅で手軽に行える状態を把握するための第一歩です。寝る前に簡単なセンサーを装着して眠るだけで、一晩の呼吸状態や酸素レベルを測定することができます。
もし課題が見つかっても、適切なサポートを受けることで、症状は大きく改善されます。例えば、CPAP(シーパップ)療法など、確立されたサポート方法があります。これは、寝ている間に適切な圧力をかけた空気を送り込むことで、気道の閉塞を防ぎ、良質な睡眠を取り戻すためのものです。
早期に状態を発見し、適切なサポートを開始することは、日中の眠気や倦怠感を解消するだけでなく、交通事故のリスクを低減し、将来的な重篤な健康課題を予防することにもつながります。
安全で集中力の高い、充実した日常生活を取り戻すために、まずはご自身の「眠り」に隠された課題に目を向けてみましょう。

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